森林散策やマリオネット制作を体験し、森の恵みを実感!
くまもと林業大学校では、広く県民を対象とした林業体験などの公開講座を企画・実施しています。
今年度第2回目は、「くまもと森林・林業ツアー」と題して、令和2年11月7日(土曜日)に山鹿市鹿北町で開催しました。今回の講座では、参加者に木の香りや温もりを感じながら、森林や林業、そして木材利用の重要性を理解してもらうことを目的としています。
6名の参加者は、同市鹿北町で林業を営む「株式会社ゆうき」代表の野中優佳さん案内のもと、同社所有の森林へと移動。そこで、同社の社員であり、この日“森のお兄さん”として参加者のガイド役を務める田中翔さんと合流しました。参加者の自己紹介の後、田中さんの案内で森の中を1時間ほど散策。田中さんは、途中で立ち止まりながら、「森と水の関係」「なぜ木の葉は紅葉するのか」「木の年齢の見分け方」などをクイズ形式で説明。参加者も興味津々で聞き入っていました。
森林散策の後は、昼食をはさんでピエロック一座による「森の人形劇」を楽しみました。楽器演奏に合わせて操り人形劇を見せる大道芸を、世界中の街角で披露してきたピエロックさん。現在は山鹿市鹿央町在住で、この地の特産杉“あや杉”を使ってユーモラスで可愛い人形を作っています。ギターやミニピアノの演奏を交えながら、歌と巧みな話術で盛り上げるユーモアあふれる人形劇に、参加者も大満足の様子でした。
観劇を終えると、ピエロックさん指導のもと、操り人形(マリオネット)制作のワークショップを実施。あらかじめ用意された頭と胴体と手になるパーツに、目を描いたり、鼻を付けたりしたほか、色とりどりの生地や糸を使って帽子や洋服、髪の毛を付けるなど、思い思いのマリオネットを作っていきました。完成した人形に、紐と操作するためのコントローラーを取り付け、ピエロックさんから「立つ・座る・お辞儀する」などの動きの操り方を教わりました。ピエロックさんいわく「あや杉は木肌のほんのりとしたピンク色が特長です。またいい香りがするので、人形をそばに置いておくと癒やされます」とのこと。皆さんも出来上がった人形に満足そう。世界に一つ、きっと森のいい思い出になることでしょう。
楽しい人形劇の披露とマリオネット制作のワークショップを行った「ピエロック一座」のピエロックさん(右)とチェリーさん。
今回、森林散策のガイドや人形劇・ワークショップの会場提供をしてくださった株式会社ゆうき代表の野中優佳さん。「皆さんが森に関心を持つお手伝いができれば。まずは森を楽しんでほしい」と話します。
森のガイド役を務めた”森のお兄さん”こと田中翔さん。くまもと緑の新規就業支援研修(くまもと林業大学校の前身)で研修生として学んだこともあり、現在は株式会社ゆうきのスタッフとして森の管理を行っています。
熊本市北区から参加した小篠えりさん・辰真くん親子。「自然が好きで、将来セカンドライフとして山に携わる仕事をしてみたいと思っています。森林にまつわるたくさんの話が聞けて良かった。息子共々楽しめました!」とえりさん。
合志市から参加した田尻豊加さん(左)と松崎良子さん。「森で働く林業に興味があり参加しました。森の散策は気持ちよく、とても癒やされました。また特産のあや杉のことも初めて知り、人形作りも楽しかったです」